10月 牧師からの言葉 

今回も福音書から見ていきたいと思います。マルコによる福音書第9章30節から37節の「再び自分の死と復活を予告する」、「いちばん偉い者」という小見出しのところです。

イエス様はあるとき、弟子たちに「途中で何を議論していたのか」と尋ねられました。家に帰る途中に弟子たちはある議論をしていました。イエス様がその議論の内容を聞かれたのですが、弟子たちは黙っていました。その内容とは、「誰がいちばん偉いのか」というものでした。

そこで、イエス様は座られて、12人を呼びました。イエス様が座られるというのは、大事なお話をされたということです。

「いちばん先になりたいものは、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」と言われました。弟子たちの議論を聞いていたのでしょう。弟子たちが議論していた、誰がいちばん偉いのかという問いの答えをイエス様は語られました。

これは、この世の偉い人という価値観に対して、イエス様が大切にしたい価値観を示されたということです。この世的には偉い人とは、学問や技術に優れ、その道のすぐれた権威を持っている人を指します。名誉を得て人から尊敬されます。普通の人とは大きな違いがあります。

けれども、イエス様はこの世の価値観の中にある偉い人ではなく、もっと異なる偉い人を目指しなさいと言われました。

神様が示す偉い人です。神様と共に生きる者にとって、目指すべき生き方です。イエス様は、一番先になりたい者、いちばん偉くなりたい者は、みんなの後になる人、みんなに仕える人でなければならないと言われました。

そのような人とは、自分は偉いものだと自慢しない人、謙遜な人、みんなのために何かをする人、みんなのことを大切に思い、自分のためだけでなく、他の人のために、困っている人のために働くことができる人ではないかと思います。