「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい」
ヨハネによる福音書第6章27節
今回はヨハネによる福音書第6章24節から35節のところから見ていきたいと思います。今回の個所は「イエスは命のパン」という小見出しの個所です。
イエス様のもとにやってきた5千人以上の人たちに、五つのパンと二匹の魚を用いて満腹させた奇跡の出来事がありました。そのことを受けてのお話です。奇跡を体験した人々の中には、その次の日もイエス様を追いかけてくる人たちがいました。
イエス様はその人たちに次の言葉を言われました。「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。」
ここで少し旧約聖書を見ておきます。出エジプト記に記されているモーセ物語です。モーセの働きによりエジプトから逃れたイスラエルの民が荒れ野を進みます。しばらくするとイスラエルの民は次第に食糧難になり、モーセと神様に不平を述べました。エジプトにいる時には、飢えることはなかったというのです。神様はそのことを受け入れ、天からパンを降らせることを約束してくださいました。そして、毎日必要な分だけマンナが人々に与えられました。
この出来事は、食べ物を神様が用意してくださるだけでなく、そのことによって、人々が神様を知ることにあったのです。
福音書では、人々はイエス様の5つのパンと2匹の魚の奇跡により、食べて満足しました。人々は、イエス様がどのような方であるかよりも、自分たちの飢えを満たしてくださる、何かをしてくださる存在を必要としました。
それは、朽ちる食べ物を追い求めることにつながります。イエス様は人々に朽ちる食べ物ではなく、いつまでもなくならない、永遠の命に至る食べ物を得るように努めなさいと言われます。
永遠の命につながる食べ物とは、イエス様を信じることです。神様を信じることです。神様に信頼する生き方こそ、求めるべきものだと言われているのです。