「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を降ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。」
ルカによる福音書第17章6節
今回は、福音書の「赦し、信仰、奉仕」という小見出しのところを取り上げます。聖書日課によればC年特定22です。
まず印象的な聖書の言葉を記します。
使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。」
弟子たちは信仰が増えると難しい課題にも取り組むことができると考えました。弟子たちがイエス様に「信仰を増してください」と訴えたことには理由がありました。それは、イエス様が弟子たちに「もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」と言われたからでした。
わたしたちも同じ思いを持つことがあります。困難な課題に直面した時、わたしたちも信仰が足りないと考えます。信仰が増えれば、困難な課題にも立ち向かっていくことができるとそう考えます。
けれども、イエス様の答えはそのような思いと違うものでした。
もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、不可能も可能になると言われました。からし種は一ミリにもみたない種です。とても小さいものです。そのように小さな信仰であっても、神様のみ力が働くと言われます。
わたしたちは信仰を持つ者です。イエス様の御言葉はわたしたちに神様のみ力が働くことを信じつづけることを求めているように思います。
旧約聖書のハバクク書に登場する預言者ハバククが生きた時代も困難な時代でした。イスラエルの国は、他国から攻撃を受け、暴力、不法、争いが行われていました。ハバククは「主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのにいつまで、あなたは聞いてくださらないのか。」と訴えました。神様の答えは、救いが必ず来ること、それを信じて待つことでした。
わたしたちは神様の助けがなければ生きることができません。わたしたちのまわりには困難なことや自分の力では解決できそうもないことがたくさんあります。神様はそのような中においても諦めずに神様を信じ続けるようにと教えられているのです。自分の力や、神様以外の力だけにより頼むとき、大きな壁にぶつかります。神様をただ信じ、そのみ心に従って生きるようにわたしたちもつとめたいと思います。